旅から生まれる道具。

expedition JKT × モンゴル

STORYTales from the field

NEUNブランドディレクター
大木 ハカセ

2月、モンゴルの冬はえらく寒い。ロシア国境付近まで北上すると尚更だ。
大陸の地平線、そのまた向こうから、まっすぐに届いた風が細かな雪を連れ去ってくれる。
草原は薄いレースを敷き詰めた様にしらっちゃけ、馬の鼻息が青白い蒸気へと変わり消えてゆく。

馬を繋ぎとめ、荷を下ろす。

数日前、道中で山羊を馳走になった遊牧民夫婦から譲り受けたわずかな薪に、乾燥させた牛の糞と白樺の皮でゆっくりと火をつける。薪と糞はジリジリと小さな音を出しながら、低く緩く乾いた色を出しながら煙を上げた。程よい長さの棒切れに羚羊の肉を刺して焼くと、時折パチリパチリと爆ぜながら火の粉が舞い上がる。が、馬はただ地面の草を喰みながらブルブルと尻を揺らすだけで、ピクリともせず、かなり高い場所からうっすら聞こえる狼の鳴き声にすら全く関心を持たないでいる。

肉をかじりながら、焚き火に照らされたウイスキー瓶の蓋を開ける。
眼前のロシア国境に連なる山々を眺めながら、ここまでの道なき道のりを振り返り、明日の行先を想像する。感情が沸き、ザラザラとした感覚が、身体を覆う皮膚をなぞってゆく。

世界的な未開の地でもなく、
ただ誰も知らないだけの
名も無き土地。

前人未到の記録をかけた遠征などとは全く異なる、ただ私と地面と空、他の誰も入り込む余地のない自分本位なだけの旅。これでいい。こういう旅が好きなのだ。
「何処の誰が成し遂げた」とか、「世界的な記録」だとか、そんなものは、この旅においては何の役にも立ちはしない。地球が誕生して以来、初めて私の身体がこの地面を踏み、この感情の中で、この風に撫でられている。それだけのことである。それこそが、私が旅の中で感じる快挙なのだ。

「旅は、どこまでも果てしなく自由なのだ。」

そんな自由な旅に寄り添い、また旅を更に自由へと誘ってくれる、相棒のような道具。
そんな道具を作りたくなる。

カシャカシャと自由な動きを妨げる高機能防水ジャケットではなく、防水機能を充分に維持しながら、ストレスなくどこまでも一緒に旅を続けられるジャケット。
風の中での焚き火でも穴が開くことがなく、着心地も快適な防寒ジャケット。
眼前の川へ、誘われるがまま飛び込んでも、次の瞬間歩き続けられる速乾性のパンツ。

NEUNのものづくりは、常に旅の中から生まれ、 また旅に帰ってゆくアイテムなのだ。

さぁ、明日はどんな旅が待っているのだろう。
まっすぐな風がテントを撫で、また何処かへと消えてゆく。

NEUNブランドディレクター 大木 ハカセ

ITEM

expedition JKT

¥47,300税込

通気性が高く、湿気や過剰な熱を逃がすc_change® (メンブレンのポリマー構造)により、外気温・湿度・体温の状況に応じて最適な状態にする特殊高性能素材Schoeller W.B.W 2WAY NANOを採用。
万能機能性生地として、撥水、透湿、防汚性能に優れており、雨・風は通さず快適に過ごすことができます。

≪c_change® メンブレンのポリマー構造について≫
松ぼっくりは外気温が上がると開き、気温が下がるとまた閉じます。
自然からインスピレーションを得た c_change® メンブレンは、同じ原理で機能します。
周囲条件に対してもまったく同じように反応します。温度だけでなく、空気や体の湿度も考慮されます。

ITEM STORY

開閉ジッパーを斜めに配置することで、口元にジッパーがあたるストレスを軽減。

他素材のシェルよりも柔軟性が高いため、動きを邪魔することがなく様々なエクスペディションにおいて、よりスムーズなパフォーマンスをサポートします。

焚き火パーカー

¥58,300税込

難燃・防風・保温の3性能を高い次元で実現した焚き火用アウター。

カラーはカーキ、ネイビーの2色。サイズはXS、S、M、L、XLの5サイズ展開。

ITEM STORY

表地には消防被服に採用されている2種類のアラミド繊維を組み合わせて使用することで火の粉などによる穴あきを防ぎます。中間層に防風幕を挟み込み風を遮断。
さらに表地と裏地の間に空間を設け空気を多く含むことで、高い保温効果も発揮します。

道具選びとその出会い。
キャンピングデニム × ネルシャツ × 仕事

MTBに乗り始めアウトドアへ傾倒していったら、こだわりたいものばかり。料理を本格的に始めたら基本の包丁、まな板、ボウルだって、何一つ適当に選んだものはなかった。

旅から生まれる道具。
expedition JKT × 焚き火パーカー × モンゴル

2月、モンゴルの冬はえらく寒い。ロシア国境付近まで北上すると尚更だ。
大陸の地平線、そのまた向こうから、まっすぐに届いた風が細かな雪を連れ去ってくれる。